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マニラのタクシー配車アプリ利用者急増 ヘリコプターの配車も

21日のヘリコプターの試験運用を知らせるウーバーの画像

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 マニラ首都圏の移動手段がインターネットやスマートフォンの普及に伴い、急速に変化している。

グラブヘリのロゴ

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 マニラ首都圏の移動手段には「カレッサ」と呼ばれる馬車、「ペディキャブ」と呼ばれる自転車にサイドカーのついたもの、「トライシクル」というペディキャブのオートバイ型、乗合自動車の「ジープニー」、タクシー、バスなどがあり、通勤には契約者が乗り合うワゴンや個人契約のオートバイの2人乗り「バイクタクシー」なども使われている。

 数年前に登場したタクシー配車アプリは朝、夕のラッシュアワーや主要道以外の場所などで急激に利用客が増えている。タクシー配車アプリの最大手は「Grab Taxi(グラブタクシー)」で、利用客はブッキングフィーとして40ペソをタクシー料金に追加して払う。マニラのタクシー料金は初乗り30ペソで、メーターは40ペソだが燃料費の下落から10ペソの割引となっており、利用客は自分で10ペソ分割引を計算して支払う仕組み。40ペソの追加料金は非常に大きいが、マニラはラッシュアワーには慢性的なタクシー不足になっており、乗車拒否も横行。経済の中心マカティ市の主要道やショッピングモールのタクシー乗り場などでも1時間以上のタクシー待ちも珍しくなく、かなり割高になるが配車へのニーズは強い。配車アプリと混同される「Uber(ウーバー)」は素人の運転手と利用客のマッチングアプリで、運転手は公的機関から免許を受けていない。

 ウーバーを利用するためにはクレジットカードが必須だったが、クレジットカード所持率が非常に低いフィリピンの事情に合わせてか現金でも利用できるようになり、対抗するように現金のみしか利用できなかったグラブタクシーがクレジットカードの利用を開始した。

 グラブタクシーは配車のほか、「グラブカー」や「グラブカープラス」と名付けた高級車を採用したハイヤーの配車や「グラブバイク」と呼ばれるバイクタクシーの提供、「グラブエクスプレス」という宅配サービス、遊覧ヘリコプターサービス「グラブヘリ」も開始した。

 ウーバーも21日にヘリコプターサービスの試験提供を行っており、両者のつばぜり合いは空中戦へと発展している。

 毎日ウーバーを利用して出勤するという20代の会社員は「白タクと指摘され逮捕される運転手が出た後、運転手の質がさがり、道を知らない運転手ばかりになった。利用客が増加しラッシュアワーの追加料金もうなぎのぼり。現金客に開放されたことは深刻。慢性的にマニラ首都圏は交通まひとも言える渋滞に悩まされていて根本的な解決が必要」と話す。

 深刻な交通事情をチャンスと捉え新たなビジネスが生まれているが、渋滞が経済に与えている損失もそれ以上に大きい。

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