フィリピンで新しい5ペソコインの流通が始まって3カ月がたった。
新通貨の流通は2017年12月1日に始まった。表のデザインはフィリピン革命の英雄「アンドレス・ボニファシオ」、裏のデザインはフィリピン原産のつる植物で絶滅危惧種「ヒスイカズラ(Tayabak)」。
ボニファシオは貧窮の家庭に生まれ苦学し多くの外国語を習得し独自の革命理論を作り上げた「フィリピン革命の父」の一人。「カティプナン」という秘密結社を率い武力闘争での革命を目指した。革命の過程でエミリオ・アギナルドなど裕福な名望家家庭出身のリーダーと革命後の体制をめぐり対立。平等を主張したボニファシオは排斥され、分派を恐れアギナルドらによって逮捕、処刑された。非暴力革命を志向しスペインによって処刑されたホセ・リサールとともにボニファシオは大衆に絶大な人気がある。旧コインの表図柄はボニファシオを死に追いやり初代大統領となったアギナルドだった。
ヒスイカズラは3月~5月の間に非常に美しい花を咲かせることで知られている。日本ではヒスイカズラの色が「初音ミク」の髪の色にそっくりなことが話題となったこともある。
旧コインは黄色がかっており、2ミリ大きい。小さくシルバーになってしまったことで1ペソと誤用されることが多く、国民からは不評となっている。
BSPシリーズと名付けられた旧コインは今年全種が「新世代シリーズ」と名付けられた新コインに切り替わる。