マニラ首都圏のラーメン店は低価格路線へとかじ切りし始めている。
2013年ごろに始まったマニラのラーメンブーム、1杯あたり1日の平均的な給与450ペソ(=約1,000円)以上の値段ながら行列までできた人気だったが、近頃は行列ができることはまれとなり落ち着きが出てきた。熱狂的ではないものの身近な「日本食」としてすっかり定着している。
堅調に集客しているのは大型モールに出店している店舗。日本でもなじみのある「山頭火」や「一風堂」などは日本よりも高い約400~500ペソの値段設定。サイドオーダーとラーメンの2品を注文し2人で分けて食べるカップルもいる。
郊外型の店舗は総じて集客に苦戦しており2016年は経営者の交代や閉店が相次いだ。価格は約250~350ペソとモールの大型店よりは約100ペソ安い。
都市部のフードコートにもラーメン店は続々とオープンしている。フィリピン都市部のオフィスワーカーはビル内に売り込みに来る弁当屋や「ジョリージープ」と呼ばれる路地の屋台などで、ごはんと一品のおかずで済ませることが多い、値段は50ペソ程度。フードコートや食堂エリアを備えたオフィスビルもありチキンレッグや揚げ物など簡単に食べられるメニューが人気となっている。
マカティ市のオフィスビル内に11月にオープンしたラーメン店「KOIKE SAN」はラーメン(80ペソ)、ラーメン、おにぎり、鶏の唐揚げのセット(=100ペソ)と超低価格を打ち出す。
マカティで働くラーメンマニアと自称するジムさんは「マニラは暑いので昼食にラーメンは汗との戦いになるので避けたい。箸が苦手なので敬遠する人も多い。ラーメン好きと言っても、まだまだみんなラーメンのことは知らない。鶏ガラからできている白湯も豚骨のようにスープが白いので区別がついていない。マニラでラーメンはオーディナルではなくイベントフードだ」と言い切る。
2017年はラーメン専門のフードコートや有名店の進出計画もあり、マニララーメン事情は新局面を迎えそうだ。