マニラ首都圏経済の中心マカティ市の目抜き通りアヤラアベニューにコンビニエンスストア「ローソン」がオープンし話題となっている。
近年、コンビニエンスストアの都市部への集中出店が続いており1500店舗以上展開するトップの「セブンイレブン」、500店舗以上を展開する「ミニストップ」、約120店舗のファミリーマートがしのぎを削っている。そこへ昨年から参入したローソンが目抜き通りに目立つ店舗をオープンしたことから大きな反響が起きている。50メートル以内にセブン-イレブンの大型店、ミニストップの小型店があり激戦区となった。
同店があるサルセド地区は日本でいえば丸の内のようなオフィス街。ここで働く人たちの所得は非常に高く、コンビニエンスストアの需要は高い。日本と同じようにドミナント出店が目立っており、店舗の入口から同じブランドの店舗が見えることも珍しくない。
進出後、一気に120店舗まで増やしたファミリーマートはその後若干店舗数を減らしており店舗展開の難しさを物語る。トップのセブンイレブンはメトロマニラ以外にも出店攻勢をかけており、セブンイレブンに大きく遅れを取る各社は展開に苦心している様子。
楽天的といわれるマニラの人々も価格には敏感だ。きれいな店がオープンすると、しばらくは記念セールのソフトクリームなどに行列を作る。しかし、その後は価格を重視し、ビールがわずか1ペソ(約2.5円)高いだけで、その店は敬遠され客足は遠のく。
日本からマニラへの進出企業をサポートするアドバイザーは「数年前の高級路線の日本ラーメンが成功した体験に引きずられて、高級感があれば高くても買ってもらえるというフワフワしたマーケティングが近年の進出企業に見られる。マニラの消費者は非常にシビアで、価格や品質が今後はさらに重視されるのでは」と分析する。