マニラ全域で30店舗を展開する、おかゆをメインにしたファストフード店「Goto King(ゴトウ・キング)」が33周年を迎えた。
1984年、テレッサ・デュラ・ロウレルさんが2メートル四方のカートでおかゆを売り歩き始めたのが同店の起源。「当時の労働者たちの食事が不衛生だったことを目の当たりにして、温かくて衛生的な食事を毎日食べさせてあげたい」と、おかゆ店を始めたという。
現在ではメトロマニラを中心にフィリピン全土のモールのフードコートを中心に店舗を展開している。店名の「GOTO」は英語ではなく「おかゆ料理」を表す言葉で「ゴトウ」と読む。
「大衆食を提供する」というポリシーからメニューは低価格に設定し、ランチメニューはほとんどが70ペソ台(1ペソ=約2.4円)となっている。
フィリピンの主食は米。おかずが西洋風のメニューであってもパンではなく米を食べる傾向があり、マクドナルドでもご飯とフライドチキンのセットが人気となっている。おかゆもいろいろな種類があり、「Lugaw(ルガウ)」は生米から調理される日本の「白かゆ」に近いおかゆ。ゴトウは鶏や豚などの「もつ」やスープで作り、いろいろな薬味を入れる。中華かゆも広く食べられており、「Congee(コンジー)」と英語で呼ばれることが多い。家庭ごとの味もありピータンや卵、魚の干物などが入れられる。
「今後も味を守りつつ、世界にもフィリピンの食文化を知ってもらいたい」とテレッサさんは力を込める。