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フィリピンは3年に一度の選挙イヤー 大統領選挙は混戦

候補予定者は選挙区民に勢いを見せつける

候補予定者は選挙区民に勢いを見せつける

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 2016年を迎えたマニラ首都圏は今年実施される大統領選挙などのポスターがあちこちに貼られ、今年が選挙イヤーであることを知らせている。

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 大統領選挙の情勢が頻繁に報道されているが、今年行われるのはフィリピン議会上院下院、市長、地方議会など1万8000以上の議席が選挙で選ばれる。

フィリピンでは独裁政権や地方政治家と利権との強固な結びつきにより国家が私物化されたことの反省から、大統領は再選を禁じ任期は6年、地方では任期3年、同一の職は最大3期9年までしか許されない。

 しかし、政治と利権の結びつきは非常に強く、地方に行くほどそれは顕著となる。公共インフラの維持管理や公共事業などの請負企業は選挙の結果によってオセロのように一斉にひっくり返ってしまうこともいまだに珍しくない。

 今年5月の選挙を目指す候補予定者たちは有力者の誕生日会、スラム街の寄付活動、宗教行事などに足しげく通い当選を目指す。貧しかったフィリピンでは汚職をしようが職と食を保証してくれる政治家がかつては人気を誇ったが、近年中流層の拡大とともにクリーンなイメージを持った政治家が台頭しており、代々の政治家一族を落下傘候補の元俳優やキャスターが選挙で打ち負かす事も珍しくない。

 地方政治家の「選挙活動」の主体はさまざまな利権と結びつき選挙区で根を張り有権者の食と職の「面倒を見る」ことだ。そのための集金力も必要となる。

 注目される大統領選の情勢は混戦と報じられている。教会の前に捨てられていた捨て子、その後「キング」という相性で親しまれた超有名俳優の養女として育てられたというドラマチックな生い立ちを持つグレース・ポー上院議員、処刑団さえ使いダバオの治安を劇的に向上させダーティーハリーの異名を持つドテルテ・ダバオ市長、現職のアキノ大統領から後継指名を受けた祖父が元大統領というサラブレッド、ロハス前内務自治長官、マニラ首都圏の経済の中心マカティ市の元市長で一族がマカティ市の要職を占めるビナイ副大統領が支持を分け合っている。

いずれの候補も「清廉だが出自不明」「豪腕だが独裁」「エリートだが坊ちゃん」「生え抜きだが汚職政治家」といった評価と批判の両方が報じられており今後の選挙の行方が注目されている。

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