1年以上の準備を経て先週開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)が終わり、マニラ首都圏は渋滞が各所で発生し普段の顔を取り戻している。
フィリピンの地元各紙はさまざまなAPECの総括記事を掲載している。各国要人が安全を確保し定刻に着陸できるようマニラ空港は空港の一時閉鎖を含む厳しい利用制限を実施したため300便以上が欠航などの影響を受け、航空会社の損害は20億ドル以上に及ぶと言われている。
開催期間の17日・18日は急きょ祝日とされビジネスマンは仕事のスケジュール調整に追われた。道路は前日の16日から各所が閉鎖され、マニラ湾沿いの大通り「ロハス・ブルーバード」も通行ができなくなった。道路は激しい渋滞に見舞われ、交通はまひした。市民の足である「ジプニー」やバスは全く利用できなくなり、代換え交通機関となった鉄道には人が殺到した。首都圏からベッドタウンまで5時間以上かけて歩いた人も多く、マニラ首都圏各所ではまるで「ゾンビの行進」と言われた徒歩で帰宅する行列が見られた。
国家警察は警備に8億ペソ(=約20億8,000万円)弱の費用がかかったと発表した。連日3万人の軍と警察が主要道に配置された。
APECウイィークの1週間、観光地のタガイタイに避難していたというマイク・メンジョーサさんは「今年は1月に法王もいらっしゃったので今年はマニラを世界にアピールできた。反面、職場や生活は不便なことも多かった」と振り返る。