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マニラ東南アジア最大のスラム街で歯の検診活動-日本のボランティア団体

検診するボランティアスタッフ

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 マニラ最大のスラム街・トンド地区で6月20日から2日間、日本のボランティア団体「DNOW(歯科ネットワーク岡山から世界へ)」が無料歯科検診の活動を行った。

「ごほうび」をもらう検診後の少女

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マニラ市トンド地区はかつて、化学反応により立ち上る煙から「スモーキーマウンテン」と呼ばれたゴミ山とスラム街があった場所。廃品目当てにゴミの山に群がる人々は当時世界中にセンセーショナルに報じられた。その後、政府の対策によってゴミ処分場は閉鎖されているが、今現在もマニラ首都圏では最も貧しい人たちが暮らすエリアだ。

フィリピンの他、ベトナムホーチミンなどで歯科ボランティア活動をする同団体の歯科医師、中條新次郎さんは「トンド地区の子どもたちの歯の状態は良くない。炭水化物が多い食生活や清涼飲料水を食事と一緒にとっていることも関係あるのでは」と話す。2日間の活動で検診した子どもたちは約150人、今後は年2回程度のペースで活動していくという。

マニラでは虫歯は抜いて治すという考えが根強く、なるべく永久歯を残すという先進国の歯科治療の原則が通用していない。中條さんは「食事教育や歯磨き指導など日本では当たり前に義務教育期間に行われていることがマニラでは行われていない。自分たちのできることには限りがあるが子どもたちの歯を守るためにできることがしたい。今後はフッ素塗布の活動を広げていきたい」と今後の抱負を語った。

同団体事務局長の三木由貴さんは「日本から持ってきた治療ツールを使おうと思ったとたん、ドーンという大きな音と共にトランスが爆発してしまい電気が使えないトラブルが発生した。苦労の絶えない活動だが今後も回数を重ねて、子どもたちの健康を守る活動を継続していきたい。手弁当の活動なので支援、協力してくれる方が増えてくれれば」と支援を呼びかける。

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