2月14日バレンタインデーのフィリピンでは、男性が女性に贈るための花を買い求め各地の生花店が混雑した。
フィリピンは熱心なカトリック教徒が住民のほとんどを占める。キリスト教の行事は非常に大切に考えられており、クリスマスの準備は9月から始められるほど。バレンタインデーは欧米など多くの国や地域で日本のように女性が男性にではなく、男性が女性に花とプレゼントと愛の言葉を贈る。
フィリピンのバレンタインデーは年々加熱しており、贈るプレゼントや花束が巨大化する傾向にある。以前は花を贈る男性はまれだったが、交際している女性や妻に花を贈ることが当然となりつつある。お正月の「Happy New Year」と同じように「Happy Valentines」の言葉が飛び交い、交際とは関係なく異性にはこの言葉をあいさつのように一日使う。贈られる花の1番人気は「赤いバラ」。
生花店もクリスマスよりも短期間で稼げる書き入れ時とあって普段10ペソ程度の花を30ペソ程度まで値上げし、「バレンタインプライス」としている店も多く見られる。
カルティマール近くの花屋で働くエドモンドさんは「バレンタインデーは一年で1番の稼ぎ時、花の値段が高いという文句を言う人はいない。なぜなら普段は花なんか買わない男性客がほとんどで値段を知らないから」とにんまりほほ笑む。
2,000ペソ(=約4,600円)の大きな花束を購入したエリックさんは「恋人に贈る花束を買いに来た。夜にプレゼントしプロポーズの予定だが、緊張している。何を言うか何度も練習したのだがドキドキが止まらない」と思いを語る。
妻に贈る50ペソのバラを一輪購入したタクシードライバーのマークさんは「普段は『愛している』と言わなくなってしまったが、バラと一緒に日頃の感謝と愛情を言葉で伝えたい」と意気込む。
夕方にはマニラの各所で花を手に、手をつないで歩くカップルの姿が見られた。