マニラ首都圏で路線バスを運行する「Froehlich Tours(フレーリッヒ・ツアーズ)本社パサイ市」が2012年5月の開業から4年たった。
同社は成長著しいマニラ首都圏にワンランク上のバスサービスを提供しようと4台のバスと10人の社員で立ち上げた。現在は創業時の80倍、約320台を保有し社員はドライバーだけで600人を超える。CEOのクリストファー・バウアーさんは「社名の『フレーリッヒ』はドイツ語で『幸せ』と言う意味、利用客はもちろん社員やその家族の幸せが作れれば」と社名の由来を話す。
マニラ首都圏の交通事情は世界一最悪と言われ、日中の渋滞は年間2兆円の経済的な損失を与えているとも言われている。最も危険な運転をすると市民から恐れられているのが路線バス、ドル箱路線ではバス停でないにも関わらず乗客を「拾う」ために無秩序に停車、割り込み、急発進を繰り返す。車両は古い物が多く、車内は汚れており、黒煙を噴き上げる車両も多い。同社は「トレーニングやマナー教育を徹底しサービスの改善に心掛け、新しい車両をメンテナンス良く使う事で快適な社内環境の維持に努めている」とクリストファーさん。
乗客のひとりジェーン・オスマンドさんは「他のバス会社と比べて新しい車両を使っており、バス停のみでの乗降なのでやさしい運転のように感じる。今後もきれいなバスで優しくは走ってほしい」と要望する。
今後はメトロマニラの非接触型IC乗車カード「ビープ」を導入しさらに乗客の利便性を高め営業を効率化するという。
「『危険で汚い』というメトロマニラのバスのイメージを『安全安心、清潔で便利』へ変えていくのが我々の使命」とクリストファーさんは力強く語った。