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お酒は深夜1時まで、歌は22時まで 比新大統領の方針に市民は異論も

夜の歓楽街は駐在員や旅行客でにぎわう

夜の歓楽街は駐在員や旅行客でにぎわう

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 大統領選挙から1週間たったマニラ首都圏、6月30日に就任する新大統領ドゥテルテ氏の重点政策が報道され、おしゃべり好きなマニラっ子のうわさとなっている。

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 SNSなどで活発に議論となっている新政権の施策の一つが、深夜1時以降の夜間の酒類販売の禁止と22時~翌5時までの大音量の禁止。フィリピンにはマニラ首都圏、地方都市を問わず米国のヒットチャートやダンスナンバーを大音量で流すバーやディスコがナイトライフに根付いている。日本同様にそういった場が未成年の非行や覚せい剤まん延の温床となるなどしているのも事実だが、楽しみを奪われると感じる国民も多いようだ。

 日本人旅行者や駐在員の御用達となっているカラオケクラブ(KTV)などは深夜2~3時までの営業がメーンで規制の影響を避けられそうになく、愛好家や経営者はため息をつく。

 同氏は毎年全国で数百人の死傷者の原因となっているクリスマスや年末年始の「花火禁止」、22時~翌5時の18歳以下の保護者なし深夜徘徊(はいかい)の禁止、ゴミのポイ捨ての禁止などを実施すると記者会見では表明。廃止されていた死刑を復活させるよう議会に提案することも明言している。

 昨日交通違反切符を切られたというテリー・シーさんは「禁止や規制を実施する前提として腐敗していない警察組織が不可欠。公務員の浄化より市民の活動制限を先行させれば不満が高まるだけではないか。新大統領はワニ(汚職警官のスラング)にエサをやっただけと批判されるだろう。今のままの警察では「えん罪」を生む危険があるので死刑を復活するのには違和感がある。未来のホセ・リサール(スペイン政府に銃殺された革命の英雄)を殺す制度は作るべきではない」と話す。

 期待と不安の新大統領誕生をおしゃべり好きなマニラっ子は今か今かと待ち構えている。

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