マニラの空の玄関ニノイ・アキノ国際空港に格安航空会社などの就航が相次ぎ、空港は連日ビジネスや観光の外国人利用客やフィリピン人観光客でごった返している。
フィリピンの空の顔として知られるのは1941年に創業したアジア初の航空会社「フィリピン航空」。1998年に会社更生法の適応を受けて従業員の大量解雇などの合理化を経て、現在はANAと共同運行を実施するなど復活を果たしている。フィリピン航空と肩を並べる存在となっているのが格安航空会社として知られる「セブパシフィック航空」。1996年に創業し今年20周年を迎えた。インターネットを活用しチケット購入やチェックインの利便性を高めたほか、徹底的な簡素化で圧倒的にリーズナブルな運賃を提供するなど人気を集めている。
近年、エアアジアやジェットスターなど海外の格安航空会社もマニラに就航し、旅行客の選択の幅は年々広がっている。
格安航空会社は運賃が安かったり、予約がしやすかったり良いこともあるが、知らないで利用するとトラブルとなることも多い。現在、ニノイ・アキノ国際空港は発着が非常に混雑しており、日常的に遅れが生じている。日本行きの飛行機では、搭乗後、駐機場で1時間程度待たされることも多い。ピークタイムには駐機場から滑走路まで10機以上の飛行機が渋滞していることもある。
ジェットスタージャパンはマニラ空港の保安検査が不十分との理由から、空港の保安検査とは別に搭乗直前に独自の保安検査を実施、液体物は「免税店で購入したもの」でも全て没収している。土産の魚の干物を没収するなど機内への荷物の持ち込みに非常に過敏になっている。
同社の4月18日のマニラ発名古屋便は突然欠航となったが振替便の用意がなく、4月22日まで5日間空港で足止めとなった利用客も多かった。ホテルやタクシーなどの費用も原則負担しないと発表し利用客は困惑している。同じ格安航空会社でもセブパシフィック航空は欠航の場合フィリピン航空などにも振替を実施、ホテル代やタクシー代も負担するなど各社の対応は異なっており、利用客は事前に確認することが必要だ。
空港で足止めとなった乗客の一人は「マニラの深夜は危険。深夜便の欠航は責任者がおらず現地のスタッフはタガログ語で『分からない』を繰り返すばかり。旅程も最後で現金もあまり残っておらず非常に困った」と憤る。
現地のガイドは「機内持ち込みのルールや欠航時の対応は航空会社ごとに違う。SNSの評判などを参考にクレームの多い航空会社は避けるようにした方が賢明。格安航空会社は上手に使えば非常に便利でお得。決して『安かろう悪かろう』ということはないので、事前によく調べて賢く利用したい」とアドバイスする。