マニラ首都圏では空前の建設ラッシュが続いている。バブルの側面もあり各マンションは差別化を図るのに必死だ。
フィリピンでは豪華マンションを「コンドミニアム」と呼んでいる。マニラ首都圏では建設中のコンドミニアムが雨後の竹の子のような状態。30階建て以上という高層コンドミニアムも多い。平均気温が年中25度程度という常夏の国ならでは、ほとんどの高級コンドミニアムに大きなプールと豪華なフィットネスジム、サウナ、などの娯楽施設が備わっている。
マラテ市の繁華街に完成した54階建てのコンドミニアム「Birch Tower Malate」も差別化のため非常に豪華な「アメニティー」と呼ばれる娯楽施設がある。1階・2階は商業施設になっており、カフェや歯科医院などが入居、9階・10階にはプールとサウナ、フィットネスジム、ビリヤード、卓球がある。
コンドミニアム全体では875室あり、100室程度が残っているという。価格帯は約24平方メートル~約30平方メートルのワンルームタイプ「フィリピンではスタジオタイプ呼ばれるもの」が280万ペソ~430万ペソ。約38平方メートル~約49平方メートルの1LDKのタイプのものが490万ペソ~640万ペソ。約90平方メートル~約116平方メートルの3LDKのタイプのものが1,000万ペソ~1,670万ペソ。
建設前から販売が始まり完成まで「ダウンペイメント」と呼ばれる分割払いをし、引き渡し時に残金を決済する方式が一般的。完成時の時価が売り出し時の価格を上回ることもあり、投機目的で購入する富裕層や外国人も多く、フィリピンの不動産業界は、さながらバブルの様相を呈している。
同コンドミニアムの目玉は売り出し価格5億円という51階~54階にかけてのペントハウス。5つのベッドルームには全て独立したバスルームとシャワールームが付いている。専用のプールが付いており「マニラ湾」を一望しながら、プールで泳ぎくつろぐことができる。
販売会社のセールスマネジャー、チェリー・コブラドさんは「マラテの大型ショッピングモール『ロビンソン』までは徒歩3分。周りには飲食店が集まっており、日本人旅行者のメッカとなっている。周りにこれよりも高い建物はなく、『100万ペソの夜景』を独り占めできる。豪華なペントハウスは1棟だけなので、ぜひ内見してほしい」と呼び掛ける。