マニラでフィリピン伝統手織物を使い、主に女性用の靴を製作販売している「Shoes by Kai」が話題となっている。
同社で作られる靴は全て手作り。フィリピンのイロコス地方の伝統的な手織物「Abel(アベル)」やミンダナオ島サンボアンガ地方に住む少数民族ヤカン族が手だけで織り上げる生地を所々に使う。
昨年1月から製作販売を始めたオーナーデザイナーのシェリー・ジェンピスさんは、「フィリピンの地方の手織物が好きで靴やかばんに使うことを思いついた。現代風デザインの中で象徴的なワンポイントとして織物を使うと、他にはない輝きを持った製品になる。生地を買うためには10時間以上かけて地方に行かなくてはならないが、フィリピンにこんな素晴らしい文化がある、織物があると知ってもらいたい」と語る。
現在はウェブのみでの販売となるが、「自分が待つことが嫌い」なためマニラ首都圏であれば注文の翌日には製品を届けるという。「工場を持たず完全手作りなので1カ月に100足ほどしか製作できない。また、手織物の生地は少量しか生産されていない貴重な物で、生地にも限りがあるので同じ物をたくさん作ることはできない」とも。
シェリーさんは「夢はコンセプトショップを開いて、さらにたくさんの人にフィリピンの織物の素晴らしさを知ってもらい、フィリピンの織物文化がずっと続いていくこと。日本でも輸入食品、雑貨を扱う『ボンプレッソ・メルカド』(名古屋市港区油屋町 TEL 052-364-6810)』で10月より製品展示を始める。手にとってフィリピンの伝統手織物の素晴らしさをぜひ確かめてほしい」と来店を呼び掛ける。
ボンプレッソメルカドの営業時間は10時~21時(金曜~日曜は9時~)。