フィリピン最大級の飲食業展示会「WOFEX(World Food Expo)」が8月1~4日、パサイ市のワールドトレードセンターとSMXコンベンションセンターで開催された。
今年で18回目を迎え約1500社が出展、約5万人が来場した。使われた2つの会場はマニラの2大展示会場で、一般的な催しはどちらかの会場が利用されることが多く、2会場を使って行われることは珍しい。
食材、調理器具、厨房(ちゅうぼう)機器、食品工場のライン、人材紹介、輸入業者など飲食に関わる多くの業者がブースを連ねた。試食には長い行列ができにぎわいを見せていた中、近年人気となっているのは牛肉。フィリピンでは豚肉や鶏肉は調理のレパートリーも多く庶民に広く食べられ、牛肉料理は普段はあまり食べられていないが、海外の飲食店の参入が相次ぎ「焼肉」や「ステーキ」も人気のメニューとなっている。
国内で飼育される牛は「ローカル」ビーフと呼ばれ肉質は赤身で硬い。ブラロやカルデレータなどの煮物料理に使われることが多く焼き肉やステーキには向かない。アメリカ、ブラジル、メキシコ、オーストラリアからさまざまな種類の牛肉が大規模に輸入され始めており扱う店舗も急増している。和牛も人気はあるが、中までしっかり火を通したウエルダン「よく焼き」が好きなフィリピンにはまだ広がってはいない。
輸入肉類を幅広く取り扱う卸し業者マイオウンミートショップのリカルド・ハオさんは「フィリピン国内には焼いて食べる牛肉が生産されておらずほとんどを輸入に頼っている。需要は急上昇しているので将来が楽しみだが、ペソ安の影響や世界的な需要増の影響で卸価格は7年前の3倍近くになっており気楽に食べてもらえないのが残念だ。それでも人気は高く、一度食べればその後のリピート率は高い」と期待を込める。
爆増する中国人市場を狙い、香港、台湾からの出店も多く連日さまざまな人々でにぎわいを見せていた。8月23~25日にはミンダナオ島ダバオでも開催される。