パリ同時多発テロ事件を受けて、17日から開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)のためマニラの街は3万人の軍、警察が出動し厳戒態勢となっている。
18日の首脳会議に先駆けて行われた17日の閣僚級会議では、急きょテロ対策の強化に向けた取り組みが採択され声明の中に盛り込まれた。首脳会議でも引き続き議題になるという
マニラ湾沿いの主要道ロハス・ブルーバードは16日から封鎖され、流入する道もほとんどが通行止めとなり軍、警察が訓練する姿が見られた。
空の便も大きな影響が出ており200便以上が欠航するフィリピンエアラインの損失は18億ドル以上といわれ、業績にも大きな影響が出ると見られる。マニラの100キロほど郊外にあるクラーク国際空港の振り替え活用が提案されたが、現状あまり進んでいない。多くの旅行者に影響が出て、搭乗できなかった市民からは不満の声も出ている。
16日の道路封鎖で自宅に帰るジプニーが立ち往生し、大渋滞の道路を横目に4時間歩いて帰宅したという30代の会社員は「各国首脳がマニラでいろいろな問題を話し合い平和で豊かな社会を目指すことは良いこと。困るのは、政府の発表が場当たりといわれるほど五月雨式に行われる現状。会社はいつから休みにするかどうか、なかなか決められなかった。マニラの道路事情は普段から慢性的に渋滞でまひしていて、大雨やイベントがあると全く動かなくなってしまう」と不満を漏らす。
18日、19日にはインターネットや携帯などの制限がかかることもあると予告されており、市民の生活に影響が出そうだ。