今月6日、マニラ首都圏で古い型式のジプニーの段階的な廃止に反対するストライキが実施され通勤客は大きな影響を受けた。
ジプニーはフィリピン国民の代表的な移動手段だが、乗客を乗せるための「乱暴な運転」や停留所が無く好きなところで乗り降りできるシステムのため頻繁に停止と発進を繰り返すことから「渋滞の原因」となっている。古い中古ディーゼルエンジンを使用するため黒煙を噴き上げ「大気汚染の原因」となっていることも問題視されており、20年以上前からマニラ首都圏でのジプニーの廃止が検討されてきた。
マニラ首都圏の渋滞は東南アジアワーストワンといわれ、渋滞の解消はドゥテルテ大統領の公約の一つでもあり、長く議論されてきたジプニーの廃止問題が再び脚光を浴びている。
型式の古いジプニーの段階的な廃止に反対するジプニー運行者たちの大規模なデモが行われ、マニラ首都圏の大動脈「エドサ通り」では激しい渋滞が発生し、通勤客に大きな影響が出た。
ジプニーに関して市民は問題を認識しているが、8ペソ(=約20円)というコストで乗車できる他の選択肢を政府が用意できるはずもなく、ジプニーに関わる労働者はマニラ首都圏だけでも数十万人に上り、生活の糧をどうするのかなど問題は山積みとなっている。
政府は日本などから資金、技術の提供を受け地下鉄建設や都市交通システムの早期開通などマニラ首都圏の交通事情改善に全力を注ぐ考えを表明しており、早期の問題解決が期待されている。