マニラ首都圏を流れる「パッシグ川」を、職務怠慢などで懲戒処分を受けた警察官約400人が清掃する。
麻薬戦争と名付けられた大規模な麻薬取り締まりは2016年6月のドゥテルテ大統領就任時から始まり、警察発表では抵抗するなどして7000人以上の容疑者が射殺されている。中には市民からえん罪や警察官の汚職隠しと指摘され非難される事件もあった。今年1月には麻薬捜査を装った現職警官が裕福な韓国人を誘拐殺人するという事件も起き、一時はフィリピン国家警察のデラ・ロサ長官も辞意を表明するほどの事態となった。
これを受けドゥテルテ大統領は警察汚職の1カ月以内での一掃をデラ・ロサ長官に指示し、それまでの間麻薬戦争を中断すると宣言した。
今回、ドゥテルテ大統領はスービックで再教育される予定だった懲戒処分を受けた警察官387人に対して「大統領がパッシグ川で船を使って大統領府に行ために」パッシグ川水草の除去と清掃を命じたと記者会見で答えた。
パッシグ川はごみや汚水などで非常に汚れており、汚染され富栄養化した水で太く育った水草がびっしり生い茂っている。ドゥテルテ大統領は警察や行政の腐敗をパッシグ川に例えて問題警官に川の清掃を指示したと解釈されている。
マカティのIT企業に勤めるロザンナさんは「私たちはドゥテルテ大統領のパフォーマンスには慣れてきている。今後は毎日のように報道される以前と同じような汚職や非効率行政にどれくらい政府が取り組めるかという実績に注目している。パッシグ川がきれいになることもとても良いことだ」と引き続きドゥテルテ大統領に期待を寄せる。