フィリピンの旧紙幣の交換期限が迫っている。
フィリピンで現在使える紙幣は2010年より発行されている、青色の1,000ペソ、黄色の500ペソ、緑色の200ペソ、青紫の100、赤色の50ペソ、オレンジ色の20ペソの6種類。青色が強かった100ペソ札は1,000ペソ札と間違われるという理由から、紫がかった現在の紙幣に改められた。そのため、100ペソ札は青いものと紫のものの2種類が流通している。
1958年より発行されていた旧札は今年1月より支払いで使うことが禁止されており、銀行での交換のみ許されている。
マニラで10年以上日本人の観光ガイドをコーディネートしているトーマスさんは「数年フィリピンに来ていない日本人の中には旧紙幣を持っている人も多い。1年以上フィリピンを訪れていない人は旧札の使用が禁止されていることも知らずに、買い物や飲食の支払いで使おうとして受け取りを拒否されてトラブルになるケースもある。今年末までは銀行で新紙幣に交換できるが、2017年からは銀行でも交換できなくなり文字通り『紙くず』になるので注意が必要」と呼び掛ける。
フィリピンでは、戦時中の山下奉文大将が隠したといわれる「旧日本軍の金塊」やマルコス元大統領の隠した「金塊」などの財宝伝説が、いまだにまことしやかに語られる。中には「金塊を買ってくれないか」「財宝を売って得た大量の旧紙幣があるが新札にできずに困っている」などと詐欺を企てる者もいる。トーマスさんは「ぬれ手であわのもうけ話は全てうそだと思ったほうが良い。旧札の交換期限後もさまざまな詐欺話が発生するだろうが、変な話に関われば財産を失うばかりでなく身の危険もあるので注意が必要」と力を込める。
「フィリピンではフィリピンペソの国外への1万ペソ以上の持ち出しは禁止されている。空港で発見されると没収されることがあるので注意してほしい」とも。
交換期限は12月31日。