見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

渋滞対策 マニラ首都圏乗り合いタクシー エドサ通りの進入禁止

通勤の強い味方UVエクスプレス

通勤の強い味方UVエクスプレス

  • 0

  •  

 フィリピン陸上交通許認可規制委員会(LTFRB)はマニラ首都圏で運行する乗り合いタクシー「UV Express(ユービー・エクスプレス)」の「Edsa(エドサ)通り」への進入を7月30日より禁止した。

[広告]

 ユービー・エクスプレスは元「FX(エフエックス)」と呼ばれており、使われていたトヨタの車種に名前は由来したもの、現在は白色のバンタイプが多い。出発地と行き先が決まっており、比較的長距離を移動する時に使われる。長距離はバス、短距離の移動は「ジプニー」、さらに短距離はサイドカー付きバイクの「トライシクル」、暑いマニラで徒歩を嫌うフィリピン人向けにサイドカー付き自転車の「ペディキャブ」などとフィリピンでは移動距離や用途に合わせてさまざまな交通手段があり、市民は巧みに使い分けて生活している。

 経済発展著しいマニラで一番の問題と言えば「交通渋滞」。渋滞がなければ20分程度の道のりが、1時間以上かかることは日常茶飯事となっており、ビジネスでも「遅れてくる」ことは当たり前になっており、会議やミーティングが時間通りに始まることは「まれ」という異常事態に陥っている。

 ドゥテルテ新大統領は渋滞の緩和解消を公約としており、就任1カ月で矢継ぎ早に対策を打ち出している。今回の措置もそのひとつと言われており、マニラ首都圏で最も渋滞が激しく経済に影響を与える南北交通の大動脈「エドサ通り」から乗り合いタクシーを追放したと見られている。

 しかし、運行を禁止したわけではなくエドサ通りの乗り入れを禁止しただけであり、周辺道路を「裏道」として運行することになり、「より交通事情が悪化する」と指摘する声もある。

 毎日10キロの道のりを1時間30分かけて通勤するというノルバートさんは「年々マニラ首都圏の渋滞は深刻になっており、毎年10分以上通勤時間が延びている。鉄道や高速道路は計画ばかりでなかなか運用が始まらない。エイペックに間に合わせる予定だったスカイウェイはまだ工事中で周辺道路は深夜まで渋滞が続いている。ウソかホントかわからないが工事が遅れている原因は利権争いとも言われていて、政治家にはもっとしっかりしてもらいたい。今回の小手先の対策で渋滞が減るかはわからないが、新大統領には最優先で働く私たちのために渋滞問題に取り組んでもらいたい。日本にも引き続き協力してもらいたい」と話す。

 マニラ首都圏の渋滞問題の解決には地下鉄も含め鉄道網の整備と区画整理、高速道路整備、自家用車の台数抑制が必要と言われており、市民は新政権の強いリーダーシップに期待している。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース