5月9日投票を迎えるフィリピン大統領選挙。マニラ首都圏には候補者のポスターなどが至る所に貼り出され、候補者は投票の呼び掛けを連日続けている。
フィリピン大統領の任期は6年。マルコス政権時代の独裁の反省から再選を禁じており現職大統領は出馬せず、全員新人で争われる。現在有力とされているのは、ダバオ市長ドゥテルテ、ポー上院議員、副大統領のビナイ、前内務・自治相のロハスの4氏。
最新の世論調査ではドゥテルテ氏がポー上院議員を数ポイントリードして最も優勢と伝えられている。ドゥテルテ氏の強みは実績。治安があまり良く無かったダバオをフィリピンで一番安全な街にしたという触れ込み。「悪を壊滅させるためには『処刑団』などの活用もいとわない」という同氏の姿勢はフィリピンのダーティーハリーともてはやされている。他の候補とも大きな差は無く、まれに見る激戦となっている。
年齢で見れば、現職のアキノ大統領から後継指名されているロハス氏、ポー氏が50歳前後であるのとは対照的にドゥテルテ氏、ビナイ副大統領は70歳を超えておりこちらも「フレッシュが良いのか経験と実績を重んじるのか」有権者の評価が分かれるところとなっている。
候補者の名前と写真がプリントされたジュースのカップを選んで購入する「大統領選挙人気投票ドリンク」を販売するのはコンビニ最大手のセブン-イレブン。
同店で断トツの人気はドゥテルテ氏。他の3氏が後を追うが、伏兵のサンチアゴ上院議員が2位や3位になるなど世論調査とは違った結果となっている。「まだ、決めていない」という投票もドゥテルテ氏の次に多く、国民のほとんどはこれからじっくり考え、誰に6年間を任せるのか決めるようだ。