フィリピン旅行中の病気やけがの対策が不十分な旅行者が多く、フィリピンへの渡航が増えるお盆休み前の現在、「フィリピンの医療制度は日本とは全く違う」と「ほけんの110番インターナショナル フィリピン」マニラ支店長の高橋さんは注意を呼び掛けている。
フィリピンには年間延べ40万人以上の日本人が入国しており、日本から5時間弱で訪れることのできる常夏のリゾートとして人気が高まっている。
日本は国民全員が医療を受けられる社会保障制度となっているが、フィリピンでは医療はビジネスであり、支払い能力のない患者は治療を受けることができない。
日本人が治療を受ける場合、基本的にはその場で現金払いが原則で、一部の病院ではクレジットカードも使用できる。治療の前にデポジット(預かり金)として相応の金額の前払いを求められるケースも少なくない。
心疾患や脳卒中のように、迅速な処置が救命率に大きく影響するような病気の場合は適切な設備のある病院でなるべく早く受診することが大切だが、手術や高度医療措置を伴う治療を受ける場合には数百万円という高額のデポジットを求められることも多い。クレジットカード付帯の旅行保険では立て替え払いをしなければならないケースもあり、その場合は保険に入っていても現金がないと医療を受けられないため注意が必要だ。
旅行保険などは数千円~加入することができるが、立て替え払いの必要があるかどうか確認が必要。フィリピンでの滞在が長いのであれば、提示することですぐに医療を受けられるカードを発行してくれる保険もある。