フィリピン財務省は4月14日、フィリピンでの会社設立に必要な手続きが同15日より大幅に簡素化されると発表した。
従来フィリピンでの会社設立は非常に複雑で時間のかかるものとなっており、書類に不備がなかったとしても最短34日間必要だった。また、証券取引委員会(SEC)、バランガイ(地方自治組織)、市役所、税務署(BIR)などへ申請者が順次書類を通過させなければならず16段階の手続きが必要だった。
今回の改正で各組織が連携し16段階の手続きは6段階、最短必要日数は34日間から8日間に短縮される。政府はさらに簡素化を進める意向で、アキノ大統領の任期内である2016年6月までにシンガポール並みの最短2日間を目指すという。
フィリピンでは旺盛な内需と貧困を抜け出しつつある中間層の拡大で各分野の起業が非常に盛ん。今回の決定は将来起業を目指す若者にも非常に好意的に受け止められている。IT分野での将来の起業を目指すジョン・ポール・メンデゥ-サさんは「起業に対するハードルが下がったのは非常に良いこと。海外の友人からも他国と比べるとフィリピンは政府の手続きがとても煩雑で縦割り、時間がかかると聞いている。これからも簡素化を進めてほしい」と歓迎する。
フィリピンでは会社設立だけではなく、営業許可の取得にも長期間の手続きが必要。飲食店を開業する場合、店舗を借りてから店舗改装を始めるまでに2カ月以上必要となることも珍しくない。機会、期間の損失を最小限にとどめ、政府のコストを最小限に抑えることが求められている。