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マニラの渋滞、深刻に パブリックレーンには効果も

渋滞は経済成長にブレーキをかけるとも

渋滞は経済成長にブレーキをかけるとも

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 渋滞が深刻なマニラ首都圏で現在、さまざまな対策が始められている。

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 マニラ首都圏の渋滞は年々悪化しており、平日朝夕のラッシュアワーは10キロ程度の通勤に2時間以上もかかる異常事態が続いている。

 渋滞の原因は1000万人を超える人口が集中する大都市にもかかわらず鉄道網がほとんど無い、交通マナーが悪い、道路網の整備ができていないことにあるといわれている。

 鉄道網に関しては地下鉄の建設やライトレールの新設などが検討されているが資金面での課題もあり進んでいない。交通マナーは渋滞の中をドライバー同士が数十センチの移動を競い合うような状況やバス停のような決められた乗車降車エリアがなく、客がいれば周りの迷惑を顧みず停車してしまう「ジプニー」や路線バスも危険運転を警察が取り締まってはいるものの効果は上がっていない。

 年々増え続ける車の数に道路が対応できておらず、主要道はラッシュアワー以外の時間帯も非常に混雑している。主要道でも少量の降雨で冠水し川のようになってしまう箇所も少なくなく道路状況の改善も課題となっている。今年行われたAPECに合わせて延伸予定だった高速道路もまだ工事中で、各所で長い渋滞ができている。

 自動車のナンバープレートの末尾番号により週に1日使用を制限する「ナンバーコーディング」も行われている。対象の車は7時~19時の間使えず、使った場合は高額の罰金が科せられ運転免許が取り上げられる。

 住宅地での路上駐車も問題となっており、車庫が無い車の登録を規制する動きもある。

 主要道では一般車と路線バスの走行帯を分ける「パブリックレーン」も試みられており、一般車の渋滞は悪化したがバスの流れは格段に速くなり一定の効果は上がっている。

 鉄道網の整備、交通マナーの向上、黒煙を上げて走るマニラ名物のジプニーをどうするのかなどの課題に答えを出し交通事情を改善しないことには、つかみかけた経済発展のチャンスを手放すことになるのではと危惧されている。

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